この間、出会い系喫茶で働いている方とお話をする機会があり、久しぶりに過去記事のことを思い出しました。
完全に忘れていましたが、こんなこと書いてたんですね。大丈夫かな、このブログ母親も読んでるんだけど…
ということで、更新が止まっていたルポの続きを書きます。今回は2010年、大学1年生の4月の体験談です。新歓コンパのチャラい雰囲気に付いていけず、リア充になるのを諦めた日でした。
舞台はまたもや池袋。大学から離れたところに行かなくてはならなかったのでここを選んでいます。別に乙女ロード(腐女子の聖地)の帰りとかじゃないからね!
2010年4月と言えば、このブログでも書きましたが出会い系喫茶が規制される直前。そのせいか、年齢確認がとても厳しかったのを覚えています。19歳以下NGのお店もありましたし、顔写真の無い保険証はダメなとこもありました。
やっと入れたお店は駅から少し離れたところ。
このお店はドーナツ型で、中心に男性フロアがあり、外側がぐるっと女性フロアになっていました。壁はマジックミラーで、男性フロアからは女性フロアが見えます。つまり女性フロアは、細長い部屋で片面が鏡という非常に落ち着かない空間。
しかも平日の真っ昼間に出会い喫茶に来る女性がそんなに大勢居るはずも無く、女性フロアは私ただ一人…というか男性客いるのか?とも思いましたが、すぐに呼ばれました。
50代くらいの小奇麗なおじさまでした。おじさまも、入ったからには元を取りたいと思ったのか速攻でお茶することに決まりました。
「なんで出会い喫茶に行こうと思ったの?」
ちなみに当時の私は、上京したての田舎娘そのものでした。(実際そんなことはないんだけど)とてもじゃないが、出会い系喫茶に居るようなタイプには見えません。
「なんとなく…ちょっと興味があって」
「お金が欲しいの?」
「いえ、そういう訳ではないんです。お金は要らないんです」
今思えば自分でも理解不能ですが、出会い系喫茶にまで行っておいて私は「お小遣いを貰う」ハードルを超える事が出来ませんでした。出会い系喫茶に行くよりも、他人からお金を貰うことのほうが難しいという不可思議な状況。
さすがにキャバやってから慣れましたが、それまでは「奢ってもらう」ということですら苦手で、デートの飲み会もきっちり折半を希望してました。
で、本が好きという話題になり、おじさまは
「きみにお金を渡すのは君に失礼だから、本を贈ろう」
と言いました。
今思えばなんて安い女だったんだろう…と思いますが、当時は「真面目な私を評価してくれたんだわ」と軽く感激。そして実際にリブレに行き、本を何冊か買ってもらいました。
このおじさまとは3回会いましたが、その都度本屋で本を選んだ記憶があります。
2回目に会ったとき「この本を読んで、感想を聞かせてくれ」と一冊の書籍を渡され、3回目にそれについて話していたときのこと。
内容は学生運動の話で、主人公が想いを寄せる女性に言われた言葉があり、その解釈について問われました。
答えると、おじさまが急に目頭を抑えて「そうだったのか…」と呟く。びっくりして黙っていると、「昔付き合っていた女性が別れるとき、この本から、この言葉を引用して僕に言ったんだ」とぽつり。
…と、映画のワンシーンみたいですが場所はサイゼリア。つくづく安い女です。私のほうは、突如思い出に浸り始めたおじさまにしらけてしまい、この関係は終わりを迎えました。
聞いてればかなりロマンチックで切ない気もしますが、何といっても出会い喫茶だからなあ…うーん。
私は出会い系喫茶でお金貰ったこと、無いんですよねえ。結局、来るかわからない男性客を待つより、働いた分だけきっかり貰えるキャバクラの方が好みでした。
⬇️第一弾はJKの時でした