本日は前々回の記事:大人の社会科見学:出会い系喫茶1(出会い系喫茶の定義) - なんちゃってキャバ嬢に続き、出会い系喫茶の歴史について書いていきます。
でも述べましたが2008年当時、出会い系喫茶に高校生は入る事が出来ました。
JKビジネスは現在でも大きな社会問題ですが「未成年」の問題をすると話が広がりすぎるので、今回は主要テーマにはしません。
ただ、出会い系喫茶が規制された大きな要因として高校生買春の問題があったということは最初に述べておきます。
2012年に風営法の対象となった出会い系喫茶。
発祥から歴史まで、どんなことがあったのか新聞記事をベースに書いていきたいと思います。
出会い系喫茶のルーツとされるのは1998年5月に営業を開始した、大阪の「Tu-Ba(ツーバ)難波店」とされています。
意外と古いんですよ!
規制されたのが2012年ということは、実に14年掛かったという計算…
では、出会い系喫茶が広まり始めた2004年から規制される2012年までを順番に辿っていきましょう。
【2004ー】
出会い系喫茶の数が首都圏に増加したのは、
①2004年に行われた 「歌舞伎町浄化作戦」(※1)などで従来の店舗型風俗店が大々的に摘発されたこと
②2005年の風営法改正による罰則強化で、「いまの店、続けるの無理だわ」っていう人が出会い系喫茶に鞍替えしたこと
以上の2点が主な原因です。
※1:歌舞伎町浄化作戦についてはご存知の方も多いかと思います。 当時の東京都知事・石原慎太郎主導による、大規模な非合法風俗店尾摘発を含めた治安改善活動のことです。
【2007ー】
それから雨の後の筍のようにニョキニョキ増殖した出会い系喫茶。
2007年時点で出会い系喫茶の店舗数は、朝日新聞の調査で 約120店、読売新聞 で約100店となっており、急速に広まった事が伺えます。
警察庁によると 15都道府県77店が営業しており、そのうち22店は18歳未満利用禁止の看板を掲げていますが、実際は出入りしていた店の方が多かったでしょう。
その証拠に2007年には、出会い系喫茶を発端とした児童買春や強制猥褻など 26件が摘発されています。
例としては出会い系喫茶で知り合った16歳の少女に金銭を渡して猥褻行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反により札幌市立教頭が逮捕されました。
2008年8月までで摘発件数は26件にのぼり、中学2年生の被害者も出ています。(※2)
※2:2008年10月6日読売新聞朝刊(東京)3頁
この段階で法律は、出会い系喫茶を取り締まることはできませんでした。 風営法では、性風俗関連特殊営業(風営法27条~31条)を規制対象としていますが、店側と女性の間に雇用関係が存在しない場合は対象になりません。
出会い系喫茶は、女性はあくまでもお客様というスタンス。
店から女性に対して金銭の受け渡しは建前上無いことになっていたので、警察側も頭を悩ませていたと思います。
【2008ー】
出会い系喫茶歴史、最大のピンチがやってきます。
2008年5月、警視庁が出会い系喫茶「キャンカフェ池袋店」をデートクラブ規制条例違反容疑で家宅捜索し、経営者と従業員が逮捕、店内に居た少女31人が補導されました。
これは、当該店舗が18歳未満の少女を、異性との対価を伴う交際を仲介する店の客にしたことが本条例違反になったんです。
例の、私が訪れたお店ですね。
東京には、デートクラブ規制条例がありました。
しかし他の道府県にそのような条例が無かった為、対処が難しいのが当時の状況。
女性に「待機料」を支払っていたことを雇用関係と見なして風営法を適用したり、商標法侵害・道路交通法違反などで摘発・逮捕するなど、かなり試行錯誤を重ねていました。 未成年の場合は児童福祉法で対処しているケースも数多くあります。
やはり「店側と女性の雇用関係や店内での性的接客が無い&女性が20歳以上の場合」は取り締まることは難しい。
出会い系喫茶がもたらす弊害が大きくなりにつれて風営法改正を求める声が上がる様になりましたが、国は法改正に遅れをとっていました。
一方、地方自治体では新しい動きが出てきました。
①2008年10月全国初で、京都府議会で出会い系喫茶を規制する県青少年保護育成条例の一部改正案可決
②その4日後には神奈川県議会でも同内容の改正案が可決 これにより、各都道府県は条例で出会い系喫茶を規制する流れになりました。
2008年末で出会い系喫茶の数は 15都道府県88店舗、2009年9月末で14都道府県100店舗を超えていました。(警察庁)
【2009ー】
そしてついに警察が動き始めます。
2009年3月12日、警察庁は出会い系喫茶を風営法の規制対象にする検討を始めた事を明らかにしました。
またこれを受けて、静岡県は出会い系喫茶の営業禁止・兵庫県は当該喫茶の新規出店を禁止しました。
【2010ー】
2010年7月、風営法施行令がとうとう改正され、出会い系喫茶が「店舗型性風俗特殊営業」の対象に含められました。
これにより、2011年1月1日より出会い系喫茶は営業にあたり公安委員会に届け出の提出が必須となり、営業禁止区域・地域が定められる様になりました。
また、18歳未満の立ち入りが禁止に。
皮肉なことに風営法施行令の改正案が可決された直後の2010年10月、出会い喫茶で出会った男性に女子大生が殺害される事件が発生しました。
法律がもう少し早い段階で可決していればという話もありますが、可決されたからと言ってこの事件が防げのかという点には疑問が残ります。
ただ確かなのは、風営法施行例改正後2010年から2012年現在までの約2年間、出会い系喫茶を発端とする事件の数は急激に減少しているということ。ある程度の解決は図られたのかもしれません。
しかし法律改正以前から営業をしていた店については既得権が有るため、継続して営業する事が条件付きで認められています。
既得権の性質上、相続・譲渡や新築・移転が不可能であるから、今後は減少していく事が予想されますが、引き続き営業している出会い系喫茶は都市部を中心に数多く存在します。
出会い系喫茶の是非については、次回以降述意見を述べていきたいと思います。
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